スクールレポート
中学土曜講座②
中学校2023(令和5)年7月13日
中学1年生は各クラスで、福岡市消防本部からお借りしたビデオや道具を使って、いざという時のための救急救命法を学びました。事前に先生方も消防本部などで講習を受け、生徒たちに教えられるように「応急手当普及員認定証」を授かり、しっかり準備しました!
「人が倒れているのを見つけたらどう行動したらよいか...普段から気になっていたけれど具体的にどうすればいいか分からなかったことを、ちゃんと学べてよかった」という生徒たちがたくさんいました。
「あ、人が倒れている!」→「誰か来てください!」→「あなたは救急車を呼んでください。あなたはAEDを取ってきてください。」→呼吸確認→胸骨圧迫(心臓マッサージ)開始!
AEDが届いたら、電源を入れ、あとはAEDの音声指示通りに準備します。不慣れな人でも、最初にすぐ119番に電話してスピーカーフォンにし、専門家の指示通りに動けば間違いありません。最後に皆で「心肺蘇生トレーニングキット:あっぱくん」を使って、実際に胸骨圧迫とAED操作の練習に励みました。いざという時に今日学んだ通りに動けますように!
中学2年生は福岡市美術館へ行きました。今回も昨年度と同様にスクールツアーという形で班ごとにガイドの方と会話型鑑賞をおこないました。美術館に展示をしている数多くの作品から、ガイドの方々が選出した作品を見ていき、それぞれの作品に対して「この作品は何を描いているように見えるか」「この作品の中で自分が気に入った作品はどれか、その理由は」といった問いを生徒に投げかけてくれました。それに対して生徒は自分の考えを答えていき、それぞれが感じたことを班で共有することが出来ました。一人で見たときには見過ごすことも、周りの人と話しながら見ることで今までにない発想が生まれており、生徒たちは皆楽しそうに鑑賞している様子が見られました。今日作品を見て感じたことを大切にしてほしいです。
中学3年生は、福岡市科学館にて館長の矢原徹一先生からお話を伺いました。矢原先生は植物が大好きで、植物について探究していく中で人間のおもしろさに気づいたとし、人間を「外向性・神経質・良心性・協調性・開放性」の5つの要素から説明してくださいました。私たちはこの5つの要素の在り方がそれぞれ異なっており、誰もが世界でたった1人のユニークな存在です。5つの要素を見つめると、誰にも必ず「自分だけの何か」が見つかります。
「外向性」は幸福感やポジティブな生き方につながるもので、成功経験を積んだり人からほめられたりすることで伸ばすことができます。それと対照的なのが「神経質」で、罰や恥を避ける意識と深く繋がっています。生活リズムを守ることや、瞑想をすることでこの意識は和らぎます。「良心性」は、言い換えると「やり抜く力」です。「協調性」は、他者との関わりによって高められます。他者と関わることは、自分の幸福感を増すことにも繋がるそうです。「開放性」は好奇心や創造への意欲を表します。これら5つの要素はすべて高ければいいわけではなく、バランス良く育てることが大切です。それが、自己肯定感を高めることにも繋がります。
公演後、生徒からはたくさんの質問が出ました。先生はひとつひとつに丁寧に答えて下さり、「自分がおもしろいと思うことを追求し、経験や知を蓄えていけば、仲間がたくさんできる」ということや、「自信はあてにならない。頼りになるのは、自分がこれまでに積み上げてきたことだ。発想力と「良心性」=「やり抜く力」が大切だ」ということを教えて下さいました。日々の学習、将来の夢、生き方に繋がる話を聞き、生徒たちは深く感銘を受けていたようです。これからの日々を明るく照らしてくださるお話でした。