スクールレポート

中学土曜講座④

 12月9日(土)の土曜講座④は、東京大学大学院医学系研究科システムズ薬理学教室で、特任講師を務めておられる岸 哲史(きし あきふみ)先生をお招きして、『成長期の睡眠の重要性:「子ども睡眠検診」プロジェクト』についてご講演いただきました。先生は少年時代、部活動や勉強の疲れと疲労回復などの体験を通して睡眠の大切さを実感され、睡眠中に脳と身体で何が起こっているのかに興味を持ち、睡眠研究の世界へ入られたそうです。現在、大人・子どもともに国民の平均睡眠時間がOECD加盟国中なんと最下位である「睡眠不足大国・日本」の、特に子どもたちの睡眠の現状と重要性について研究されています。その一環として行われた「子ども睡眠検診プロジェクトー子供の睡眠の実態調査」には、本校中学生有志も保護者のご協力を得て、多数参加させて頂きました。

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 2016年の米国睡眠医学会の発表では、子どもの推奨睡眠時間が中高生の場合8~10時間だそうですが、大濠中学生も含め日本の中高生の平均睡眠時間は約7時間と、少し足りていない現状だということが判明しました。慢性的な睡眠不足は、成長・判断力・情動反応等のパフォーマンス低下の原因になり、果ては寿命も縮めてしまうそうです。また、起床時間と就寝時間は固定したほうが良いという通説も真実だそうで、なかなか寝付けない人は早起きして真っ先に日光か明るい電灯の光で覚醒し、日中に適度な運動等もして、夜には自然に眠くなるようにリズムを作っていくと良いそうです。また、休日の寝だめは睡眠リズムや体内時計を狂わせるので良くないということも分かりました。岸先生のご助言通りに睡眠の量・質・リズムを整えて、学力・体力・心の健康を向上させたいものです。IMG_0013.JPGIMG_0011.JPG

 生徒達の感想もいくつかご紹介します。

「自分はいつも睡眠時間が少ないので、早く寝ようと思っても全く眠れなくて困っていたのですが、本日の講演を聴いて、まずは早起きから始めて朝日を浴びることが大切だと知ったので、明日にでも実践しようと思いました。」

「日本人の睡眠時間は先進国の中で最も短いことを知っておどろいた。記憶を定着させたり、免疫を高めたり、思考力を高めたりするために睡眠は大事で、〔10代の〕今の時期は生体リズムが夜型化する時期なので睡眠時間を平日は7時間以上はとれるように心がけたい。私は休日に遅寝・遅起きしがちなので、睡眠中央時刻をそろえて、がんになるリスクを低くしたい。また、昼寝は20分以内にして、長くならないようにしたい。」

「幼少期から日本人は睡眠時間が足りていないということに驚きました。『寝る子は育つ』というのは2、3歳までの話で、それ以降は『寝すぎる子は起こせ』だと思っていたのですが、中学生でも睡眠のおかげで多くの面での成長ができるということが分かりました。」

「東大で研究をし、アメリカなどで国際的な研究をされている講師の岸さんはとてもすばらしいと思った。」

 ご講演の最後の質疑応答タイムでは、3学年から多くの生徒達が積極的に挙手して質問をし、岸先生はそれぞれに丁寧にご回答下さいました。分かりやすく興味深い講演をして下さった岸先生に改めて感謝申し上げます。

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